集団的自衛権について「保有しているが行使はできない」としてきた政府の現行憲法解釈は、日本の安全保障体制にとって最大の欠陥でしたが、その見直しに安倍晋三政権が本格的に動き出しました。
安倍政権はまず、時代や国際情勢が変化してもかたくなに従来の政府の憲法解釈を守り続けてきた内閣法制局の長官に、集団的自衛権行使に前向きな小松一郎前駐仏大使を起用しました。外務省出身者の起用は異例で、これは戦後の歴代首相が必要性を感じながらも世論の批判を恐れてできなかった内閣法制局の改革に初めて踏み出したことを意味しています。
また、第1次政権で安倍首相が設置し、第2次政権で活動を再開させた「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇、座長・柳井俊二元駐米大使)は、今秋にも集団的自衛権行使容認を求める報告書を提出する予定です。
その後、安倍政権は国民の理解を得ながら集団的自衛権をめぐる憲法解釈の見直しの検討を進め、それに基づいた日本の安全保障政策の根幹を定める国家安全保障基本法案を、来年の通常国会にも提出することにしています。
こうした安倍政権の取り組みについて、新聞メディアでは、日本の安全保障政策の現実を踏まえ、あるべき方向性を示してきた産経新聞と読売新聞は支持する社説を掲載し、国民に理解を深めてもらうための紙面展開をしています。一方、これに強い対抗意識をもって集団的自衛権行使反対の紙面を作り続けているのが、朝日新聞と毎日新聞です。
私は言論機関である新聞社がそれぞれの社説をもって報道していくのは当然のことだと思いますが、問題は朝日、毎日の報道手法です。新聞社として集団的自衛権行使に反対なのであれば、堂々と社説を掲げ、それがいかに政策的な合理性をもっているかを記事で解説するという紙面作りをすべきだと思います。
しかし、両社の今の報道姿勢はそうではなく、「まず反対ありき」が根底にあって、それに迎合する人物の発言を掲載する形で「自分たちの主張を肩代わりさせる」という、私からすれば“姑息(こそく)”な手法をとっています。
たとえば、内閣法制局長官から20日付で最高裁判事に就任した山本庸幸氏の同日の記者会見での発言に関する報道です。その場で山本氏は憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を認めることについて「私自身は従来の解釈を変えることは難しいと思う。実現するなら憲法改正が適切だ」と述べました。
私はテレビのニュースで聞いて「判事がこんな発言をすることが許されるのか!」と驚きました。裁判所、それも最終的な憲法判断を行う最高裁の判事が、憲法解釈にかかわる問題について、個人の意見を述べることは極めて不適切だと考えているからです。判事は個別具体的にそれぞれの裁判において公正中立な立場で原告、被告双方の主張を聴き、検証したうえで判決を下すべきであって、予断を持つべきではありません。
そのニュースで驚いた後、私はすぐに翌21日付の朝日、毎日両紙の扱いと報道ぶりが頭に浮かびましたが、やはりその通りでした。両紙ともこの発言を1面で報道し、丁寧すぎるぐらいに発言内容を紹介しました。「自分たちの主張をよくぞ言ってくれた」という思いだったのかもしれません。そして、記事には、最高裁判事が憲法解釈について政治的な発言をしたことへの批判はありませんでした。
一方、産経、読売は同日付朝刊で山本氏の発言を淡々と報道しましたが、その発言がはらむ問題について、すぐに指摘しなかったのは個人的に残念でした。ちなみに産経新聞は22日付朝刊の社説で山本氏の発言の背景にある問題を指摘し、政治面で「司法による行政への越権的介入」にあたることを解説しましたが。
その点、菅義偉官房長官は21日の記者会見で、すぐさま山本氏の発言について「非常に違和感をもつ」と批判しました。内閣の要として安倍政権を支えているだけあって、さすがというべき見識だと思いました。逆にこの菅氏の発言について朝日、毎日両紙は22日付朝刊で「官房長官が最高裁判事の発言を批判するのは極めて異例」と判で押したかのように批判的に報じましたが、これはもともと山本氏の発言の方に問題があるという認識に欠けた記事です。
朝日、毎日両紙のこうした報道は山本氏の発言に始まったことではありません。両氏は政府が8月8日の閣議で小松氏を内閣法制局長官に充てる人事を決定した際に、やはり示し合わせたように阪田雅裕元内閣法制局長官へのインタビューを掲載し、「集団的自衛権の行使は憲法上、認められない」などと語らせました。
その発言内容は従来の内閣法制局の立場を繰り返したのみならず、政権が憲法解釈を変更することは「邪道で政治的には自殺的行為」とまで踏み込んでいました。阪田氏はすでに退任しており、「政治的な発言をするな」とまでは言いませんが、それを金科玉条のように取り上げた朝日、毎日の報道姿勢はいかがなものかと思います。新聞社が自分たちの責任において主張を展開するならともかく、都合のいいことを言う元内閣法制局長官に代弁させるのは“姑息”だと言わざるをえません。
そもそも内閣法制局がどんなところなのか、私はこれまで外交、安全保障政策の記事を書く度に取材してきたので、その本質をよく知っています。一言で言えば、彼らは国家、国民がどうなろうと関係なく、自分たちが積み重ねてきた憲法解釈を守りたいだけの「官僚中の官僚」なのです。
忘れもしない私の経験を披露しましょう。平成2年8月に湾岸危機が勃発した際、海部俊樹政権は国連決議に基づく多国籍軍を後方支援するための国連平和協力法案を国会に提出しました。実はこの時、政権内部では集団的自衛権や武力行使の定義に関する憲法解釈の変更が検討されました。
私は「湾岸諸国に石油の大部分を依存している日本が、多国籍軍を支援しなければ国際的に批判を浴びる」と危機感を抱き、憲法解釈の変更に反対していた内閣法制局の幹部に取材し、こう質問しました。
「国際情勢は冷戦構造から大きく転換しました。これまでの憲法解釈が前提としていた国際情勢が変わったのだから、憲法解釈が見直されるのも当然ではないでしょうか。そうしなければ日本は国際社会の中で存立できない。憲法解釈を変更しないことこそ、前文に書かれた憲法の精神に反するのではないでしょうか」。
すると、その幹部からは「オレたちの仕事はこれまでの憲法解釈を守ることだけだ。国がどうなろうとオレたちの知ったこっちゃない!」と怒鳴りつけられました。この種の発言は何もその幹部だけではなく、その後の内閣法制局幹部の取材でも聞かされました。
内閣法制局は他の府省庁、部局と同様、官僚機構の一部にすぎません。官僚は国民の審判を受けませんから、政治的に責任を問われることはありません。したがって、他の政策と同様、憲法解釈についても官僚任せにするのではなく、政治が責任をもって行うのがあるべき姿でしょう。
しかし、日本では長らく官僚主導の政治が続いてきましたから、それは良くないということで、朝日、毎日両社も含めてすべてのマスコミは「官僚主導の政治から政治主導へ」と主張してきたのではないでしょうか。それを内閣法制局に限ってはいいと言うのでしょうか。新聞社がそんなご都合主義で報道することは許されません。
朝日、毎日両社が本気で「集団的自衛権を行使しなくてもいい」と考えているのなら、堂々とその社説を掲げ、集団的自衛権を行使しなくてもどうやって日本の国家、国民の平和と安全を守ることができるのか、国民に分かるようにきちんと政策で説明してもらいたいと思います。
しかし、きっとできないでしょう。合理的な政策ではなく、空想的な平和論を展開するしかないのがオチだからです。朝日、毎日両社は恐らく自分たちでもそれが分かっているから、都合良く元内閣法制局長官の発言を引用する形で報道しているのだと見ています。
私の知る限り、朝日、毎日両社でも安全保障政策をきちんと取材し、勉強している記者は、集団的自衛権の行使が必要であることは知っています。その通り、紙面で書けないことについて、ジャーナリストとしての良心から苦しんでいる記者も少なくありません。その意味で、過去の論調に縛られ、現実から目をそむけた紙面を作っているという点で、朝日、毎日両社も従来の内閣法制局と同じ体質なのかもしれません。
しかし、多くの国民は政治、とくに外交・安全保障政策についてはマスコミを通じてしか、真実やあるべき方向性を知ることはできません。だからこそ、マスコミは自分に都合のいいように真実を曲げて報道するということはあってはなりません。
日本の政治では、政策とくに安全保障政策については、政策的合理性というよりも右か左か、タカ派かハト派かといった情緒的論議が繰り返されてきました。その責任は政治家だけではなく、むしろ新聞社はじめマスコミの報道の仕方にあったと思います。
マスコミの中でも、とくに新聞社は国民世論ひいては国家、国民の将来に大きな影響力を持っています。その自覚のもとに、しっかりとした取材に基づいて真実を報道し、現実に沿った政策論議をしようではありませんか。
2013/08/25
Posted
2013/08/25
Posted
source : 2013.08.24 産経ニュース (クリックで引用記事開閉)
韓国大統領 月山明博(李明博)の…天皇陛下への「不敬発言」
痛惜の念などという単語一つを言いに来るのなら、来る必要はない。
日王は韓国民に心から土下座したいのなら来い。
重罪人にするように手足を縛って頭を足で踏んで地面に擦り付けて謝らせてやる。
重罪人が土下座もしない、言葉で謝るだけならふざけた話だ。
そんな馬鹿な話は通用しない。
それなら入国は許さないぞ。
日王は韓国民に心から土下座したいのなら来い。
重罪人にするように手足を縛って頭を足で踏んで地面に擦り付けて謝らせてやる。
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そんな馬鹿な話は通用しない。
それなら入国は許さないぞ。
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