教科書の「慰安婦」記述削除を批判する“居直り”
source : 2015.12.14 産経ニュース WEST (ボタンクリックで引用記事が開閉)
この1月22日(注・平成27年)の朝日新聞の社説を読んで、この新聞は「廃刊」すべきと改めて確信せざるを得なかった。
■日本人の人権・名誉を軽視するのはどっちだ
社説は「『慰安婦記述』事実をなぜ削るのか」という見出しで「教科書会社の数研出版が、高校の公民科の教科書3点から「従軍慰安婦」の言葉を削除する。戦時下で将兵の性の相手をさせられた女性についての記述が、同社の教科書から消える」と批判している。
また、訂正申請を認めた文科省を非難し、「新しい歴史教科書をつくる会」が昨年9月、「慰安婦」「強制連行」の記述の削除や訂正を教科書会社に勧告するよう文科省に求めたことも「日本人が人権を軽視しているという国際社会の見かたを生む」と批判している。
日本人全体の「人権・名誉」を軽視しているのは「あなた方でしょう」と言いたい。
■またも論点のすり替え
朝日社説は、数研出版が「誤記」だったとして「従軍慰安婦」を削除したが、軍の関与での慰安所は存在していたのであるから「誤記」ではないと言う。これは朝日新聞が得意とする論点の「すり替え」である。いつの時代の戦争でも軍のあるところ、慰安所は存在した。朝鮮戦争でもベトナム戦争でもしかりである。問題は女性を「強制連行」したか否か、にある。
「従軍慰安婦」なる言葉は1970年代、朝日新聞に登場し、以後、昨年まで「強制連行」したという意味で朝日を先頭に大手マスコミに使用されてきた。その根拠はただ一つ、朝鮮の済州島で、自らが「こん棒で殴りつけて」「トラックに押し込み」「強姦し」、女性二百数十名を強制連行したと名乗り出た吉田清治という「詐話師」の嘘の証言である。この嘘話に朝日新聞は乗り、吉田清治を腹が据わった人物、と褒め上げたのである。吉田清治は生前、これは作り話だった、と認めている。
にもかかわらず、この吉田証言を根拠に朝日新聞は「強制連行」したと日本を貶(おとし)める記事を度々、掲載した。そのため、日本の教科書に登場し、現在、国連をはじめ世界は20万人を「性奴隷」にしたと日本を非難している。米国ではそれが原因で、日本人は肩身の狭い思いを強いられ、学校では児童生徒がいじめられている。
ところが、遅きに失したが、昨年8月、朝日新聞は吉田証言の「慰安婦狩り」は嘘だった、と誤報を認め記事を取り消した。これで教科書から慰安婦を削除するのは当然で、後は日本を言われなき理由で貶めたことを「謝罪」すべきである。
朝日新聞自らの責任として、国際社会に流布した「日本犯罪国家」というレッテルを拭うべきである。米国の韓国人の運動で設置された「慰安婦像」は撤去してほしい、費用は朝日が持ちます、と。また、世界の有力新聞にも何億円かかろうとも同様の謝罪広告記事を載せ、世界中に広まった誤解を解くべきである。
その「朝日新聞」が、またまた居直った。自分たちが「造語」した「従軍」慰安婦という言葉を教科書から削除したのは「けしからん」というこの1月22日の朝日新聞社説は、自らの「恥」をさらに増幅するものである。全く理解できない。この新聞は廃刊しかない、と思うのは筆者ばかりではないだろう。
(この記事は、平成27年1月31日付岡山県版に掲載されたものです)
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
森靖喜(もり・やすき) 昭和16年、岡山市生まれ。明治大学大学院卒業後、43年から金山学園(現・岡山学芸館高校)の教諭、岡山市教育委員長などを歴任。現在は岡山県私学協会長、学校法人・森教育学園理事長、岡山学芸館高校・清秀中学校学園長、教育再生をすすめる全国連絡協議会世話人。専門は政治学。
(2)「9条があるから平和だった」の嘘 憲法改正、70年ぶりチャンスを逃すな!
source : 2015.12.15 産経ニュース WEST (ボタンクリックで引用記事が開閉)
10年前、話題にしたら袋だたきであった憲法改正が、今ようやく現実のものとなろうとしている。安倍政権のお手柄である。とはいえ、大手・多数派マスコミ、学者、評論家の安倍政権潰しや護憲・改正反対の論調は止む事がない。学校現場でも日教組を先頭に、道徳の教科化反対とともに、平和教育に名を借りた『護憲』教育のオンパレードである。現状では、国民投票で憲法改正の過半数賛成は困難。一人ひとりの理解・志が必要である。
■護憲・進歩派が言ってきたこと
戦後70年間、「進歩派」と称する人たちは、憲法の前文にある『平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、我らの安全と生存を保持しようと決意した』は、名文で素晴らしい、そして『憲法第9条があったから平和だった・日本人が作った憲法だから大切に・改正は戦争への道だ』と護憲・改正反対を呼号する。
昨年(注・平成26年)、成立した改正国民投票法により投票権は18歳から、となったことにかんがみ、昨夏、文科省から学校で公正な憲法教育を充実させよ、との通達があり、本学園でも実施している。だが、「他の国に自らの国の安全と生存を依存する」という憲法前文を生徒に理解させることは不可能である。お隣の北朝鮮も中国共産党も東京を火の海にするぞと脅すし、どの国も自国の国益追求で精いっぱい、日本を守る「気」など全くないのが現実である。
よくもマアーこんな嘘を、と言うしかない。『9条があったから戦後70年平和だった』と言う嘘もひどい。中・高校生でも、抑止力なき平和は歴史上存在しないと理解する。自衛隊の存在と「日米安全保障条約」という抑止力があってこそ、冷戦下の平和を享受できたのである。
■無理やり飲まされた憲法
日本人が造ったという嘘も今や通用しない。占領軍最高司令官マッカーサー元帥の指示で、占領軍民生局が昭和21年の2月、憲法に関して素人ばかりのスタッフで、しかも一週間で原案をつくり、日本側政府には、これを飲まねば「天皇陛下」の地位が危ないぞ、と脅して飲ましたものである。日本の伝統をずたずたにした憲法を飲まされた悔しさに、その場にいた「白州次郎」が今に見ていろ、と涙したことは有名な史実である。
嘘を教えるのが教育か?その嘘が教育に及ぼす影響を考えてもらいたいものである。国の守りすら他者依存では自助の精神を育むことは不可能である。教育委員会・学校は「自立・自律」「個の確立」と看板を上げながら、「自助努力・セルフヘルプ」を否定しては矛盾も甚だしい。自助は「人間教育」「道徳」の基本である。
明治の先人、中村正直訳「西国立志編」(講談社学術文庫)は、英国のサミュエル・スマイルズ(1812~1904年)著『自助論』の日本語訳で、明治4年に発行され、100万部という超ベストセラーとなった。明治の日本人は欧米の侵略におびえる中でこの本によって『自助の精神』を学び、『日本独立維持』のために日清・日露戦争に立ち向かったのである。さらに、偉大な先人・福沢諭吉が残した『独立の気なき者、国を思うこと深切ならず』に対して、護憲・進歩的文化人は、どう答えるのであろうか。
欧米のまねでなく、先人の教え、日本の伝統に根ざし、『日本の国柄』にふさわしい憲法の成立を楽しみにしたい。
(この記事は、平成27年2月19日付岡山県版に掲載されたものです)
(3)「戦後利得者・左翼」が洗脳した歴史教育を見直せ…
渡部昇一・上智大名誉教授との対談から
source : 2015.12.21 産経ニュース WEST (ボタンクリックで引用記事が開閉)
3月10日(注・平成27年)、上智大学名誉教授の渡部昇一先生と対談という得がたい機会を得た。地方の小さな私学の理事長が希代の碩学(せきがく)と対談、筆者としては緊張せざるを得なかったが、充実した3時間であった。
■戦後歴史教育は「教育」ではない
昨年(注・26年)9月、筆者がPHP研究所から「奇跡の学校」を上梓(じょうし)し、その記念講演を聴いたPHPの月刊誌「Voice」編集長の企画で、テーマは『日本の歴史教育を見直す』だった。
文明の核心は「人間の心・精神」にあり、精神が歴史を動かし文明を形付ける(物質を核心とするマルクス主義・唯物論は終焉(しゅうえん)した)。その精神の育成に欠かせないのが「歴史教育」である。戦後歴史教育は「教育」ではなく米国占領政策とそれを引き継いで「戦後利得者」となった左翼による「洗脳」である。
渡部先生は一貫して朝日新聞を先頭とする「戦後利得者・左翼」と戦ってこられた。日本人の精神を排斥し、欧米の精神・価値観を植え付け、日本を一方的に「悪者」と決め付ける戦後歴史教育では日本精神・日本文明が消滅する。戦後歴史教育を見直さねばならない理由がここにある。先生との対談での結論だった。
渡部先生はそのためには、昭和6年の満州事変から東京裁判に至る戦後の歴史教育を是正すべきと熱く語られた。「満州事変以後、日本は支那を侵略した」と教えているが(日清・日露戦争も侵略とする教科書もある)戦争を仕掛けたのは支那であり、日本は受身であった。東京裁判ですら「支那事変の開戦責任が日本にある」とは言っていない。
朝鮮戦争が始まった1年後の昭和26年5月3日、東京裁判で日本を「悪者」として、7人を絞首刑にした張本人であるマッカーサー元帥は「米国上院軍事外交合同委員会」で「日本は自国の防衛のために開戦した」(侵略ではなく自衛戦争)と証言している。渡部先生は、この証言は「どこぞの講演」などではなく、「米国議会上院」の委員会という最高の権威ある「場」での証言なのである、という事実を強調し、「なぜ教科書に載せないのか」という。『あの戦争』の見直しは歴史教育の原点である。
■植民地から独立、日本に感謝するアジア諸国
筆者からの「敗戦直後の昭和21年の21万人もの『公職追放』が戦後の歴史教育を日本自身がゆがめてきた原因では」という指摘に対し、「戦後利得者」の言葉を初めて作った渡部先生はわが意を得たりと、戦後進歩的文化人の責任を追及され、筆者としては留飲を下げたのである。
また、日本はアジア諸国を侵略したというが、あの戦争によって、アジア諸国が数百年の白人による略奪・収奪型植民地政策による支配から独立を果たした、という視点が戦後歴史教育にはない。中・韓を除く大半のアジア諸国は「日本が戦ってくれてありがとう。おかげで独立できました」と感謝している。韓国は日本と戦争したわけではないにもかかわらず、中国とともに反日攻撃をしているが、そもそも「韓国併合」は日本が植民地にしたのではない。「併合」はアネクゼーション(annexation)といい、英国のイングランドがスコットランドを併合した、というように使われる。植民地はコロナイゼーション(colonization)であり、併合は植民地化とは異なる、という渡部先生の指摘は貴重である。
その他諸々、戦後歴史教科書を書き換える必要を痛感した対談であった。
(この記事は、平成27年3月26日付岡山県版に掲載されたものです)
(4)国歌を斉唱しない学校 米占領政策から抜け出ない教育…
待たれる日本独自の体制作り
source : 2015.12.22 産経ニュース WEST (ボタンクリックで引用記事が開閉)
産経新聞は4月2日(注・平成27年)、1面トップで『奈良教育大学付属中の入学・卒業式』で国歌を永年に渡り、斉唱していないと伝えた。学校側は付属中の伝統を継承したという。平成11年、国旗国歌法が制定され、学習指導要領(法的拘束力あり)で国旗掲揚・国歌斉唱の指導を明記しているにもかかわらず、国立の教育大学が、このようなありさまなのである。
■マッカーサー占領軍による「日本解体」
春はさまざまな教員研修の時期でもある。筆者は毎年、初任者研修などの講師を務めている。受講者のほとんどは『アメリカ教育使節団報告書』(以下「報告書」)の存在を知らない。実は「国歌斉唱をしない」という教育観は、この「報告書」が命じたものである。報告書は敗戦直後の昭和21年3月、マッカーサー占領軍による「日本解体」=「精神的武装解除」政策として提出され、戦前の教育は「軍国主義・封建的・非近代的・非文明的」と決め付けた。日本が再びアメリカに反抗することがないことを目的としている。
「報告書」は、日本の戦後を、教育を考えるための「第一級の現代史資料」「戦後教育改革の原点」である。これを学ばずして教育が語れるのか?奈良教育大に限らずほとんどの国立大学の教職教官は、この報告書の存在をタブー視し、その意味を教えていない。
訳者・村井実(慶応大学教授)の「まえがき」の冒頭を紹介する。『第二次大戦に敗れて、何もかも焦土から出直しという時期に、その日本の再建への教育の基本方向を高く掲げたのが、この「アメリカ教育使節団報告書」であった。思えば不思議な歴史的いきさつであった。日本人のための、そして日本国の再建のための教育の指針が、アメリカ人によってなされたのである。しかも、日本人は、いかにも唯々として、あたかも自分自身の発想ででもあるかのように、熱心にその指針にしたがって教育の再建に励んだのである。』
■道徳教育・憲法改正に反対する「左の人々」
残念だが、全国のほとんどの大学ではいまだに、この「報告書」が要求する教育から一歩も抜け出てない実情が研修会出席の教員や現在の教育界・学会から見えてくる。
「報告書」は講談社学術文庫にあるが、要点を紹介すると、戦後の日本の教育体制がすべて報告書に基づいていることがわかる。教育基本法▽学校教育法▽教育委員会制度▽男女共学▽PTA制度▽地理歴史(国史)を社会科に▽国語改革(漢字制限)▽国語を廃しローマ字に▽師範学校や帝国大学、海軍兵学校、陸軍士官学校などを廃止、全国に新制大学を設置し、アメリカ流の自由平等民主的教育を▽道徳教育廃止-など。ただし、ローマ字だけは実現しなかった。
そして、ようやく平成18年安部内閣で新教育基本法が成立したが、新教育基本法や国旗国歌法、自らの国を自らが守るという国防に反対し、道徳教育・憲法改正に反対する大学教授、大手マスコミ、日教組、革新や左翼を標榜(ひょうぼう)する人々が、米国占領政策にいかに忠実であるかが見えてくる。
卒業式で国旗を掲げた校長が生徒に土下座させられた「国立市第二小学校事件」や長野五輪表彰台で国歌に無礼な態度をとり顰蹙(ひんしゅく)をかった女子選手を忘れてはならない。私学・慶応の創立者で明治の碩学(せきがく)、福沢諭吉の『独立の気なき者 国を思うこと 深切ならず』を心すべきであろう。
(この記事は、平成27年4月23日付岡山県版に掲載されたものです)
(5)あの戦争は「祖国防衛戦争」だった…欧米の人種差別・武力征服に抗した日本
今こそ正しい歴史認識を
source : 2015.12.28 産経ニュース WEST (ボタンクリックで引用記事が開閉)
本学園独自の日本の伝統に基づいた教育理念理解のために「親学講座」を開設して9年になる。日本の伝統・戦前を否定するか、肯定するか。それは大東亜戦争が侵略戦争だったか、祖国防衛戦争だったかの理解で分かれる。憲法改正のキーワードでもある。
■マッカーサーも認めた日本の防衛戦争
講座では、筆者が過去500年間の世界史を概説。それは白人・キリスト教徒による有色人種虐殺や略奪、収奪の『西力東斬』、『人種差別』の歴史であり、欧米は米大陸やアフリカ、アジアを完璧(かんぺき)に武力で征服した。19世紀・幕末の日本は「風前の灯」で、危機感を持った吉田松陰や坂本竜馬ら志士たちは、日本の独立を守るために幕府を倒し、「統一国家」を創った。それが「明治維新」である。
日清・日露戦争、大東亜戦争は露や米の征服欲に抗した『祖国防衛戦争』であり、それは米国占領軍の総司令官だった「マッカーサー元帥」や東京裁判判事の「パール博士」も認めている。故にあの戦争を侵略として、日本の伝統を否定する根拠は消滅。「世界8大文明の一つを形成する日本文明に誇りを持とう」という講演であった。
■あの戦争は「日本が悪かった」としか教えられなかった
受講した父母の感想文。
(1)「初めての時はそれまで教えられていた戦争観と正反対で目からうろこでした。それでも偏(かたよ)った見方では、と半信半疑でしたが、今ではこの歴史観を教育理念の柱とし、生徒に親に一般の方にメディアに発信されることに敬意と誇りを感じています。私はオンライン英会話で毎日、フィリピン人と話しています。
彼らは日本を恨むどころか本当に日本が大好きで、日本を日本人を尊敬してくれています。あるフィリピン人が(半ば自虐的に)言いました。『あのまま現在まで、日本が統治してくれていたら、私たちはもっと日本みたいに豊かになれたのに』。
あの戦争は『日本が悪かった』としか教えられませんでした。もちろん、私も戦争を肯定するつもりはありません。しかし、日本人はひどい戦争を起したひどい国民だという卑屈な戦争観から脱却し、日本人として、誇りを持って国際社会で生きていくことが大切です。本学園の教育理念に感銘しています」
(2)「学生時代は悪い戦争と教わりました。今回、欧米の虐殺・略奪型植民地政策と日本の近代化を目指した投資型植民地政策の違いを初めて知りました。台湾や朝鮮の農工業を興し、インフラを整備し、小学校から大学まで作った教育政策など近代化の基礎を作った日本を学び直そうと思いました」
(3)「台湾人の親日の理由が分かりました」
(4)「白人による有色人種への人種差別という観点での歴史を初めて教わりました」
百数十人の受講者からこうした感想をちょうだいしています。
来年(注・平成28年)以降、憲法改正に向けた国民投票が予定され、18歳から投票権がある。高校生も正しい歴史を学ばねばならない。日本の誇りを取り戻すには、米国が日本を弱体化する目的で作った現憲法を日本人の手で作り直す必要がある。護憲派の根拠は、すべてが「あの戦争」は「日本が悪かった」という歴史観にある。
明治維新以来の日本の近現代史を汚辱にまみれた歴史だ、と殊更に叫ぶNHKや朝日新聞等大手マスコミ・歴史学会や教育学会など「戦後知識人」に決定的にかけているもの、それは『祖国愛』であろう。
(この記事は、平成27年5月21日付岡山県版に掲載されたものです。後半を一部省略しています)
(6)ソ連抑留下の強制労働でも手を抜かない日本人…誇れる「和」「誠」の心
竹田恒泰氏の講演から
source : 2015.12.29 産経ニュース WEST (ボタンクリックで引用記事が開閉)
5月28日(注・平成27年)、学園主催の第63回「親学講座」の講師は明治天皇の玄孫(やしゃご)・竹田恒泰氏であった。博学でテレビや著作で有名な氏の講演とあって全校生徒1300人余、保護者・一般参加者600人余で岡山シンフォニーホールは満席となった。
■日本の文明の素晴らしさは世界で通用する価値観
「戦後63年」(昭和20年から7年間は米国の占領下)を迎えた日本が抱えている最大の課題は「米国型の歴史観や生き方を『正義』として受け入れた結果、日本が本来持っていた価値観・歴史観・教育観や独立心を失っていることにいかにして気づかせるか」(佐伯啓思)。正にこの一点にある。
竹田氏の講演は自然と共生する日本の文明が持つ独自性・素晴らしさ、それは今、世界で通用する価値観であるとし、2675年もの間、一系の天皇陛下をいただく世界最古の国・日本への「祖国愛」を語った。
例えば敗戦後、満州で不法にも旧ソ連に抑留された数万の日本兵の一部が遠くウズベキスタンへ送られ、強制労働に従事させられた。日本兵は「恥をかくな」と、手抜きせず立派で頑丈な劇場を造った。戦後大地震に見舞われ、町は壊滅したが、日本人が造った劇場はびくともせず今でも立派に生き残っている。彼の国では今でも日本を尊敬し、「日本人を見習え」と教育している。
日本人精神の神髄は、神道の「清明」な心、それは中世では「正直」になり、近世江戸時代に「誠」という言葉になる。ウズベキスタンの劇場は、まさに「誠実」な日本人精神の証明なのだ。戦後、焼け野原から高度経済成長させた原動力は日本独特の「和」「誠」の心である。アメリカの「自由」、仏の「平等」とともに日本の「和」「誠」は立派な価値である。仕事は誰のためなのか、人は誰のために生きるのか、世のため人のために生きてこそ「生き甲斐」を持てるのだ。
人は死に様が大切。他人(ひと)に「惜しい人を亡くしたね」と言われて死ぬことこそ大切。講演は「死生観」や「志」にふれ、満場の感動を誘ったのである。
■「日本のことに何と無知だったか」
保護者の感想文。
(1)竹田先生のお話は分かりやすく、面白く、そして私が学んできた日本史は、全く事実とは違うということが分かり、大変驚いた。何よりも日本人の素晴らしさ、人のために生きるという「和」の精神の尊さを改めて認識しでき、日本人に生まれてよかったと思った
(2)自国に誇りを持つことができた。このような教育の場を提供された学芸館はすばらしい
(3)学生時代、歴史が嫌いで、まじめに受けた記憶がない。今になって歴史を知ること、その教育の重要性を知った。学芸館の思想とわが家の考えも一致しており、感謝している。
(4)人間は世のため、人のため動くとき力が出せるというお話にはまったく同感。今、息子に同じ言葉で伝えている
(5)日本のことに何と無知だったことか、古事記を勉強します
(6)先人を敬うことを怠っていました。恥ずかしいことでした。失われつつある日本人らしさを途切れさすことなく子供たちへ伝えたい。
(7)会場に駆けつける生徒の姿、すでに着席した生徒の前を通ると「おはようございます」とあいさつ。開始の放送と同時に一切の私語なしというケジメのある態度。講演前の起立・敬礼など感動・感心しました
(8)私自身、高校では「天皇は税金で養ってやる必要などない」という教育を受けました。
今、中学・高校の教科書採択が始まっている(8月締め切り)。自由社・育鵬社・明成社の日本の伝統を尊重した歴史・公民教科書の採択を期待している。
(この記事は、平成27年6月18日付岡山県版に掲載されたものです)
(7)「侵略戦争」は連合国の宣伝、日本は植民地アジアを解放した…
元NYタイムズ・ストークス氏に学ぶ
source : 2016.01.03 産経ニュース WEST (ボタンクリックで引用記事が開閉)
あの戦争は、ほとんどの日本の歴史教科書が記述しているように「アジアを侵略した悪の戦争」だったのか、いやそうではなく「祖国防衛・アジア解放戦争」だったのか。それは日本の明治・大正・昭和の歴史をいかに評価するかのキーポイントである。
■植民地を日本のために失なった白人の怨念
ヘンリー・ストークス著『なぜアメリカは、対日戦争を仕掛けたのか』(共著)と『英国人が見た、連合国戦勝史観の虚妄』(祥伝社新書・780円)。この2冊は全国民の必読書である。
ストークス氏は1938年(昭和13年)英国生まれ、オックスフォード大学出身で、フィナンシャル・タイムズ、タイムズ、ニューヨーク・タイムズの各社で東京支局長を歴任。50年間にわたり日本に滞在している外国特派員の最古参記者である。
欧米の日本特派員記者は総じて日本に批判的であり、日本文化・歴史の理解度は浅薄である。戦前の日本を「悪・侵略国家」と決め付けた「東京裁判」は正しいと言う。東京裁判を批判すると、「歴史修正主義」と非難する。したがって、南京大虐殺は当然あったとし、従軍慰安婦問題でも日本をおとしめる記事を書く。
何しろ日本は大東亜戦争でインド、ビルマ(現ミャンマー)、インドネシア・フィリピン、ベトナムなど東南アジアなどから英国・オランダ・米・仏などを追い出した。彼ら白人は数百年間「栄耀(えいよう)栄華」の源泉であった「宝石」のごとき植民地を日本のために失なったのである。その怨念(おんねん)は簡単には消えない。「猿」が人間を支配するという「猿の惑星」という映画の「猿」は日本人である(作者は日本軍が英国兵捕虜を虐待したとする映画「戦場にかける橋」と同じ)。それほどに有色人種で唯一、白人に刃向かった日本人への恨みは深いのである。
■南京大虐殺も中国の宣伝
そんな中で、英国人のストークス元支局長は「欧米・中国・韓国はもとより日本の学者までが『日本は侵略した』と言うが、それは連合国の宣伝だ。南京大虐殺も中華民国の宣伝で『作り事』であったことが確定している。確かに日本が欧米諸国が支配していたアジア植民地に軍事侵攻したのは事実。しかし、それ以前に侵略して植民地にしたのは欧米諸国だ。日本は欧米の植民地を占領し、アジア諸民族を独立へ導いた。西洋人は世界史を見直すべきだ。日本はアジアを独立に導いた『希望の光』。侵略したのではなく『解放』し、独立に導いたのです」と書く。
また、「私は市ケ谷の防衛省内の東京裁判の法廷を訪れた。そこで行われた裁判は邪悪なもので犯罪行為だった。戦勝国が一方的に敗戦国を裁くことは許されない。戦勝国が敗戦国を裁いて一方の将兵のみを戦争犯罪人として処刑するのは復讐(ふくしゅう)であり、犯罪である。…東京裁判は数年に及んだ。その全てが不法だった」とする。
■「独立は身を殺して仁をなした日本のおかげ」
昭和30年、後のタイ王国の首相、ククリット・プラモード氏は「日本のおかげで、アジアの諸国はすべて独立した。日本というお母さんは、難産して母体をそこなったが(筆者注・日本の敗戦のこと)、生まれた子はすくすくと育っている。今日東南アジアの諸国民が、米英と対等に話ができるのは、一体誰のおかげであるのか。それは身を殺して仁をなした日本というお母さんがあったためである。この重大な思想を示してくれたお母さんが、一身を賭して重大決意をされた昭和16年12月8日(開戦の日)、われわれはこの日を忘れてはならない」と述べている。
まもなく、予定されている安倍首相の戦後70年談話。戦勝国の宣伝に「洗脳」され日本を侵略国家とした「村山談話」、同じく慰安婦を強制連行したとする「河野談話」との決別を期待したいものである。
(この記事は、平成27年7月16日付岡山県版に掲載されたものです)
(8)原爆投下、米国の責任は問われないのか…実験台にされた広島・長崎
背景に白人の人種差別意識
source : 2016.01.04 産経ニュース WEST (ボタンクリックで引用記事が開閉)
多くの日本人は「太平洋戦争」は知っていても「大東亜戦争」を知らない。毎年夏、日本は「太平洋戦争」に関する記事や報道で覆われる。読み、聞き、見るたびに「憂鬱(ゆううつ)」になる。まずは「太平洋戦争」という米国占領軍が命令した「名称」の洪水に対しての腹立ちである。
■自衛の「大東亜戦争」を否定、侵略の「太平洋戦争」とした米国
昭和16(1941)年12月8日のハワイ真珠湾奇襲攻撃直後、日本政府は「大東亜戦争」と命名した。「大東亜戦争」の名称は、日本の自衛のための戦争であり、「フィリピン」「インド・ビルマ(現ミャンマー)・マレー」「インドネシア」を植民地として支配していた「米」「英」「蘭」を追い出し、アジアの諸民族の独立を促した結果からしても妥当な名称である。
あの戦争は白人の迫害に抗した「日本の自衛戦争」であり、「アジアを解放した戦争」ということになると、「正義の戦争」ということになり、あくまで日本はアジアを侵略した「悪者国家」でなければならない米国にとっては、非常に不都合である。大東亜共栄圏は、有色人種が団結して白人の侵略に対抗しようという意味を含む。それは米占領軍にとっては知られたくない事実であり、戦後は「大東亜」という言葉の使用を禁じた。太平洋戦争という言葉には「アジアを侵略した日本」という意味が込められている。
占領軍は昭和20年から翌年にかけて、「太平洋戦争史」という連載新聞記事、「真相はこうだ」と題するNHKラジオで日本人に「日本はアジアを侵略した悪者国家」と思わせる洗脳工作を実施した。それは有無を言わさぬ命令であり、ポツダム宣言に違反した徹底した『検閲』の下に行われた。それに反論、抗議することは逮捕か公職追放を意味し、沈黙するしかなかった。「日本侵略悪者国家」という「米国が押し付けた歴史観の是正」「日本人の精神の健全化」は、新聞・テレビ・教科書から『太平洋戦争』という名称を追放し、『大東亜戦争』に改めることから始めるべきである。
■実験以外の何ものでもない原爆投下
そして、次は『投下した米国の責任』が一言も出てこない原爆被災報道である。米軍は昭和20年8月6日に広島へ、9日に長崎へ原爆を投下し、20万人以上の人類史上類のない大虐殺を行った。日本の降伏の意思を知っていたにもかかわらず、トルーマン米国大統領は8月3日、広島・小倉・長崎のいずれかに原爆を投下せよと命令した。
8月6日、B29爆撃機『エノラゲイ号』が広島に投下。一瞬にして12万人以上が被爆死した。原爆実験成功から、わずか20日というスピードでの投下であった。長崎への投下を急いだのも、広島のウラン型原爆とは異なるプルトニウム型原爆を実験したい思惑であった。旧ソ連が対日参戦を約束したことにより、日本は降伏すると考えたトルーマン大統領は原爆投下の機会を失うことを恐れた。それは実験以外の何ものでもなかった。トルーマン大統領は戦後の対ソ戦略の一環として原子爆弾の威力を見せつけたのである。
そして、過去500年の歴史の中で有色人種は人間ではない、とした白人の人種差別意識が原爆投下の背景にあったことを忘れてはならない。
広島平和公園の原爆慰霊碑は「安らかに眠ってください 過ちは 繰り返しませぬから」とある。たとえどんな理由があれ、原爆という大量破壊兵器を一般市民の頭上で爆発させたことは、断じて米国の過ちである。慰霊碑を「繰り返させませぬから」と書き直すのが反核平和運動の原点であろう。
(この記事は、平成27年8月20日付岡山県版に掲載されたものです)
(9)左翼・自虐的「歴史教科書」の氾濫 生徒らに
「中韓との歴史戦に負けよ」と教えていいのか
source : 2016.01.05 産経ニュース WEST (ボタンクリックで引用記事が開閉)
全国の中学校で来年度から使用される教科書の採択結果が判明した。戦後、長きに渡って日本の文化・伝統を否定的に描く教科書が氾濫(はんらん)し、国語では古典が、音楽では邦楽や唱歌がないがしろにされてきた。
■自虐史観に毒された従来の歴史教科書
なかでも子供たちに最も大きく深刻な悪影響を与えてきたのは歴史教科書で、20年前まではすべての教科書が明治維新以来、日本はアジアを侵略し、朝鮮の女性を強制連行して、従軍慰安婦にしたなどといううそを記載し、必要以上に日本をおとしめる自虐史観に毒されていた。生徒たちは自分たちの父祖がそんな残虐行為をしたと教えられ、日本が愛せなくなり、他国の生徒と比較し、「愛国心」「自己肯定観」が極端に低くなった。
それを見かねて平成8年に「新しい歴史教科書をつくる会」が設立され、共産主義・自虐史観に毒されない中立の立場から教科書を作り始めた。その流れを引き継いだのが、自由社と育鵬社である。その育鵬社が全国22都府県、31自治体、600校で使用される。
歴史7万2千冊(シェア6・2%)、公民6万5千冊(5・6%)となり、前回の採択から約1・5倍に増加した。マスコミもその増加振りを報道し、一応、幅広い支持を獲得したといえる。とりあえずは「良し」としたい。しかしながら、中学生一学年は約116万人。90%以上、100万人以上の中学生が以前と変わらぬ自虐的歴史教科書で学ぶ。
■育鵬社教科書のシェア拡大に期待
さらに驚かされたのは、育鵬社からの情報によると、今回初めて歴史教科書の出版に参画した「まなび舎」の教科書を、国立大学の付属中学校である東京大学付属中等学校・筑波大学付属・奈良教育大学付属、私立の名門校である慶応大学付属中学・独協大学付属中学・麻布中学・大阪桐蔭中学などが採択している事実である。
この「まなび舎」教科書は、今までのものよりもさらに左翼的・自虐的で文科省の一次検定に不合格になり、訂正して合格したいわく付きのものである。上記の中学校はエリート養成校であり、有名校である。20年、30年後の日本を背負う中学生に、中国や韓国に「日本は悪い国です」と謝罪し、両国との歴史戦・情報戦に負けなさい、それが人道的で人権を尊重する正しい態度です、と教えるのである。
考えてみればこんな恐ろしいことはない。個人的には育鵬社に20万冊以上、シェア20%以上を期待していたので、少し残念な結果ではある。
岡山県の公立中学校での育鵬社・自由社教科書の採択は依然としてゼロ。安倍政権の教育委員会制度の改革で『総合教育会議』が新設され、首長が教育委員会と基本方針を話し合うことが可能になった(それまでは首長といえども、教委には口出しできなかった)。
しかし、左翼・組合は抗議行動が派手で、マスコミも応援する。選挙を気にせねばならない首長の立場は理解できるが、首長に信念・危機意識が欠けていたのではないか。保守系首長にはもっとしっかりしてもらいたい。新聞報道などで右翼の教科書と偏見を持っていたにもかかわらず、実際に育鵬社教科書を読んだ首長は「これ、ちっともおかしくないね」という返答だったと、育鵬社の関係者から聞いている。
本学園の清秀中学校では「育鵬社」「自由社」の2社とも採択している。市販されている両教科書をご一読いただければ、誤解は解けると思います。
(この記事は、平成27年9月17日付岡山県版に掲載されたものです)
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