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2020/04/26


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「コロナ対策優等生」イスラエルとスウェーデンはどこがすごいのか 日本やドイツと決定的に異なる点

 source : 2020.04.24 現代ビジネス 川口マーン惠美 (クリックで開閉)






■イスラエルのスピード感

現在進行中の新型コロナ騒動で、私が「すごい!」と感じているのが、イスラエルとスウェーデンの2国だ。

イスラエルは2月初め、早々に中国からの渡航者の入国を禁止(それを受けて外交官Dai Yuming氏が、「中国は戦時中、ユダヤ人を救った」とイスラエル政府を非難するトンチンカンな一幕もあった)。2月24日からは日本人の入国も禁止した。EUに日本人が入れなくなったのは3月17日だったので、3週間以上も先行した措置だった。




イスラエルは建国以来ずっと、同国の消滅を心から願う過激な敵国に囲まれてきたため、危機管理では右に出る者がいない。パレスチナのガザ地区からはしょっちゅうミサイルが飛んでくるし、ときどきテロもある。戦闘状態が常態になっているといっても大げさではない。

だから、兵役はユダヤ人市民の全員に2〜3年も課せられており、女性も例外ではない。人口が900万人ほどなのに、兵力は総動員をかけると、予備役を含めて57万人に達するという。もちろん兵器は最先端だし、兵士のレベルも高い。おそらく核兵器も持っていると想像される。

そして国民は、いつなんどきミサイルが飛んできても、ちゃんと迎撃するので大丈夫、と思っているらしい。現在、内政的には組閣ができず混乱しているが、だからといって国の秩序まで乱れることはない。

しかも、イスラエルは近代的な民主国家だ。超優秀なIT関係のスタートアップ企業が目白押しで、「中東のシリコンバレー」と呼ばれる。それどころか農業ではハイテク灌漑技術が浸透し、40年も前から砂漠で抜群の収穫をあげることに成功している。

なお、パレスチナとは戦争状態にあっても、一方では多くのアラブ人がイスラエルに住んで平和に商売をしている。また、エルサレムは、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地なので、世界中から観光客が訪れて感動を分かち合う。

なぜ、私がそんなことを言うかというと、身近なドイツ人がイスラエルで暮らしているからなのだが、この国は世界の例外を一身に引き受けている有能多才な国だと思う。




そのイスラエルが、ここ2ヵ月、厳格な外出制限などでコロナ対策をしてきた。感染症との戦いも、結局は普通の戦争とやることは同じだから彼らは得意なのだとか、生物兵器戦争のシミュレーションのつもりだろうなどと囁かれていたが、いずれにしてもいつも通り、やることは迅速で、徹底していた。

そして今、ドイツやフランスが、規制は敷いたものの、いつ、どうやってそれを解除していこうかということで大揉めに揉めているのを尻目に、やはり一番乗りで、規制解除に取りかかっている。何事も、他人の意見などに惑わされることなく、自分の国は自分で守るというのが、彼らの特性である。

■スウェーデン政府の自信

もう一つはスウェーデン。EUのほとんどの国が、学校も、飲食店も、店舗も閉鎖してしまい、程度の差こそあれ、いわゆる都市封鎖を敷いている中、スウェーデンだけは、小・中学校も、レストランもそのまま(高校と大学はオンライン授業に切り替え)。50人までの集会もOK 。ショッピングも良し。まず、これだけでも衝撃的だ。

ドイツのニュースに出てくるスウェーデンの映像は、好天の下、カフェの外に並んだテーブルで、皆が楽しく歓談しているところばかり。友人と会うことも禁止されてしまっているドイツ人としては、「ありえない!」の一言だ。




もちろん、スウェーデン国内でも、この緩い措置に反対する人たちは少なくないらしい。「政府が国民の了承なしに人体実験をしている」という批判もあったし、ウイルス学者たちが共同抗議文を新聞に寄稿し、このままではイタリアのようになってしまうと警告することもあった。

そうするうちに、感染者はどんどん増え始め、4月の7〜9日には、100万人あたりの死者が10.2人と、イタリアの9.7人を本当に超えてしまった。

最初は緩い対策を敷いていたイギリスでさえ、あっという間に感染者が激増して、慌てて方針を切り替えたのだから、スウェーデンもまもなくそうなるだろうと、ドイツ人はそれを見ながら思っていた。

ところが、スウェーデン政府は慌てない。科学者の抗議に対しては、「あなたがたは、学者全員の意見が一致するなどということを経験したことがあるのですか? 私たちの背後にも、多くの学者がいます」とあっさり切り捨て。

さらに、外国に向かっては、「自分たちが何もしていないように思われているのは大変遺憾だ。我々は様々な対策をし、国民に自粛を要請している。しかし、禁止はしないだけだ」と抗議さえした。そして、「我々の対策は、これがあと2年続いても大丈夫」と胸を張ったのだ。




コロナは確かに長期戦となりそうなので、すでに厳しい規制で息切れし始めている国々から見れば、あっぱれというしかない。

スウェーデン人は自由を殊のほか大切にする国民なので、政府がそれを束縛したり、罰金でいうことをきかせようとすれば、国民の不満が抑えきれなくなるのだろう。だから、政府のやり方に納得できない国民は、自分の子供を学校に行かせないなど、独自の対策をとっているという。

政府も政府なら、国民も国民。この国では多くが自己責任で決定されるようだ。

■ドイツ国民のショック

イスラエルもスウェーデンも、誰がなんと言おうが、我が道を行く。両国に共通なのは、考え方が現実的で、感傷の入る余地が少ないことだ。そこらへんの思考回路は、日本のように、他国のやっていることを見てから決めようとする国や、ドイツのように、義務は拒否して権利ばかり主張する国民の多い国とは、明らかに異なっている。

前例のない「事件」において何かを決定するということは、政治家にとっては途方もなく難しい。コロナもそうだが、何をどう決めようが、吉と出るか、凶と出るかは、はっきり言って闇の中だ。だからたいていの国の政治家は責任を回避するため、「専門家」を引っ張り出してきて、その意見に従うという形をとる。

ドイツの場合はそれがロバート・コッホ研究所で、毎日、幹部が政府の担当者とともに「状況報告」をしている。当然、他の専門家の意見は、一切取り上げられない。ちなみにロバート・コッホ研究所は保健省の下部組織だ。

4月21日、世界最大のビール祭り、ミュンヘンのオクトーバー・フェストの中止が決定したというニュースが流れ、国民はショックを受けている。10月もまだダメ!? だったら、大切な夏の旅行は? もうすぐコロナから解放されるという夢はガラガラと崩れていく。




そもそもドイツ政府は、感染者の数が倍増する期間が14日を超えれば、規制の緩和を考えると言っていたのに、今やそれが36日を超えた。だから、法学者などを中心に、これ以上国民の権利を制限し続けるための根拠は尽きているという意見が盛んに出始めている。

なのに、メルケル首相が突然、「緩和についての議論は良くない」などと言い出し、国民を唖然とさせた。それが、単なる用心から来るのか、あるいは、他の理由があるのか、そこらへんが微妙だ。ただ、ロバート・コッホ研究所も、「感染者が減ってもウイルスがいなくなったわけではない」と、メルケルと歩調を合わせている。

そんななか、20日になって、スウェーデンでの感染者の増加の勢いが弱まったというニュースが流れた。かなりスリリングだ。今、皆が、興味と羨望の入り混じった視線でスウェーデンを眺めている。ドイツ人は心の中で、「いざとなったら、夏の休暇はスウェーデンだ!」と秘めやかな期待を膨らませているかもしれない。


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